人口31万人の国アイスランドの約3分の2が住むレイキャヴィーク首都圏には、北欧アートやデザイン、ユニークな音楽の華が咲き誇っています。
中世ヨーロッパの面影を残す瀟洒な旧市街、世界一小さいが完全な近代国家の首都機能を備えた新市街が整然と並んでいます。レイキャヴィークとは「湯けむりたなびく湾」の意味、温泉の湧き出る海岸もあり「欧州温泉連盟」に所属する世界一空気と水が清浄で治安の良い「温かくて暖かい」街です。世界一美味しいとされるラム、新鮮な魚介類は若い精鋭シェフの技で最高級のグルメとして人々を魅了しています。
アイスランドの首都。政治、経済、文化の中心地
レイキャヴィークはアイスランドの首都で国の政治、経済、文化の中心地。市内のみで約12万人、周囲の市を含めた首都圏全体では全人口の60%にあたる約20万人が住んでいます。1986年、東西サミットとして、レーガン・ゴルバチョフ会談がレイキャヴィークで開催され、一躍世界に名をはせることになりましたが、この地がサミットの場として選ばれた理由はレイキャヴィークがワシントンとモスクワのちょうど中間に位置するからだといわれています。
自然エネルギーを最大限に活用した、クリーンで美しい都市
レイキャヴィークとは元来、「煙たなびく湾」という意味ですが、これはアイスランド最初の移住者であるインゴルフル・アルトナルソンが上陸前、近郊の温泉から吹き出る湯煙を炎の煙と間違えてつけたからと伝えられています。しかし実際はこのネーミングとはうらはらに、スモッグなどはかけらも無いクリーンな都市です。ほぼ100%の家庭の暖房が地熱利用の給湯で賄われるなど自然のパワーを最大限に利用しており、首都にいながら汚染のないフレッシュな空気を味わうこともできる近代的な生活と自然が共存する美しい都市です。
国際的芸術式典も開催される芸術の都
歴史的にみるとレイキャヴィークは18世紀の後半になってから発展した比較的新しい都市です。1776年に市制がひかれた際の人口は僅か170人であり、アイスランド大学が設立された1911年でも12,000人であったことを考えると、その後の発展は驚異的ともいえます。市街はカラフルな家々が並び、極北の街のイメージから来る先入観とは対照的に明るく美しい街です。アルシングと呼ばれるアイスランド国会を筆頭に、最高裁判所、国立劇場、大学、国立博物館など主だった施設はすべてレイキャヴィークに集中しています。人口12万余りのレイキャヴィークは恐らく世界で最も人口の少ない首都の一つですが、行政、文化、経済、娯楽などの面でも世界のどの大都市にもひけを取らないことから「驚きの都」として称賛されています。国際的な映画祭やアートフェスティバル、フードショー、ミュージックフェスティバルも行われる芸術の都でもあります。
観光名所
国立美術館
元々は海産物の貯蔵冷凍のための施設。現在では装いをあらたに完全に再築され、文化財を展示する博物館となっています。チョルトニン湖畔にある美術館にはアイスランドのかつての名匠の芸術品などが永久保存されているほか、現代美術の展示も定期的になされています。館内にはギャラリーショップ、喫茶店も。
国立博物館
アイスランドの貴重な文化遺産「サガ」などの古典文学の写しや、最初の移住の時代から現代までのアイスランド人の生活や芸術など文化史をイラストで展示する博物館。創立は1863年。ヴァイキング時代の漁船や農機具、織物、生活用具などが興味を惹かれます。アイスランド大学にほど近い立地です。
アゥルバイル屋外民族博物館
1957年アゥルバイル農園を中心とするアゥルバイヤルサフン民族館がこの博物館の前身。1967年にレイキャヴィーク市立博物館と併合され、アイスランドの伝統や歴史的遺物を保存しています。アイスランド各地から集められた、昔の教会、古い漁師の家や泥炭で葺いた珍しい農家、トンガリ屋根の民家などがそのまま保存されています。いわば、アイスランド版明治村。敷地内には1464年の記録に基づき再現された農家、1820年代の民家などが点在し、ビジターも一緒になって楽しめる伝統手工芸コーナーやいろんなプログラムも用意されています。
国会議事堂
灰色の玄武岩の外装が特徴的な国会議事堂は1881年の建立。世界最古で民主議会の母とも称される民主議会アルシングは地球の割れ目として有名なギャウのあるシンクヴェトリル国立公園で930年に行われたのが初。1800年頃ここに移されるまではずっとその地で行われていました。国会議事堂の正面は、19世紀独立運動の立役者「J.シグルズソンの銅像」が中央に立つ美しい広場で、市民の憩いの場。近隣にはカフェが並んでいます。
首相執務室
元来は監獄として建てられたものです。民主主義と平等を大切にする国だけに、建物は謙虚、そして控え目で小さい造り。警備員も配置されていません。
アイスランドペニス博物館
世界最大のペニス・コレクションとペニスの部位を展示。人間から大型クジラまで、アイスランドに住むあらゆる哺乳類のペニスが集められています。
チョルトニン池
その名も「池 = the pond」という名前のチョルトニン池。レイキャヴィークはこの池の周りを囲むように大きくなってきました。鴨やあひる、白鳥などがたくさん住み、市民の憩いの場になっています。冬季は気温の低下に凍ってしまいますが、野鳥のために一部が水のままになるよう温められています。天気のいい夏の日にチョルトニン池のベンチで軽めに昼食をとるのもおすすめ。
市庁舎
1992年に建設。レイキャヴィークの中心であるチョルトニン池の北の端に浮かぶように建つ市庁舎は、地上3階、地下2階のユニークなデザインの近代建築。地上3階の総面積は5,356平方メートル、地下の総面積は5,098平方メートル。コーヒーショップ、多目的ホールを兼ね備えるレイキャヴィークの顔でもあります。コーヒーショップでお茶を飲みながらチョルトニン池にたむろする野鳥の群れを観察するなど、ツーリストの市内散策の休憩ポイントとしても利用できます。
エーシャ山
エーシャ山はレイキャヴィーク12万市民の隣人。北東のスカイラインに聳え立つその荘厳な姿が美しいです。アイスランドでは、13人のサンタクロースがこの山に住むと言われており、多くの市民に親しまれています。
ハトルグリムスキルキャ教会
レイキャヴィークで最も目立つ建物でルーテル派教会。エレベーターで高い塔の最上階の1階下 (70m) まで昇れ、螺旋状の階段を昇った所にある展望台は360度の視界、美しい市街の全景が見渡せます。市内散策の途中に是非訪れてみたいところです。パイプオルガンが見事。教会の正面には西暦1000年にアメリカ大陸を発見したレイブル・エイリクソンの銅像があります。世界の民主議会の母アルシングの発祥1000年を祝ってアメリカ合衆国から寄贈されたものです。 レイブル・エイリークソンの像
1930年アルシング発祥1000年を記念して、アメリカ大陸発見者であると伝えられているレイブル・エイリークソンの銅像がアメリカ合衆国より寄贈されました。1000年にグリーンランドにキリスト教を布教し、また同年アメリカを発見したと言われています。
アイスランド大学
1911年創立のアイスランド唯一の総合大学。法学、神学、医学、人文学、経済学、工学、自然科学、社会学、薬学、歯学、看護学の計11の学部に1万人以上が学んでいます。
レイキャヴィーク漁港
漁業立国の首都の漁港だけに、捕鯨母船や巨大なドックも完備されており、付近には旧市街の町並が続いて古い面影の波止場風景を楽しめます。波止場内には、レストランや衣料品店があり、新鮮な魚介料理や本場のフィッシャーマンズセーターなどのショッピングも魅力。週末には近くの建物でフリーマーケットも行われています。
ホフジハウス
レイキャヴィークのオフィシャル・レセプションホール(迎賓館)。その佇まいは謙虚で優雅そのもの。1986年10月レーガン・ゴルバチョフ会談が開催された会場としても有名。かつてはフランス領事館でした。
ロイガヴェーグル通り
レイキャヴィーク、そしてアイスランドで一番のメインストリート。ブティック、レストランやカフェ、書店、オフィス等が建ち並ぶ雰囲気のある道です。全長2km足らずで散策にも楽しい場所です。
ライキャルトルグ
ツーリスト・インフォメーション・センターがある一帯で街の中心。歩行者が好んで集う広場でかつてはレイキャヴィークの主要交通センターでした。
クリングラン・ショッピングモール
ブティック、本屋、CDショップ、電化製品店、台所用品店、銀行、携帯電話店、眼鏡店、スポーツ用品店、スーパーマーケットと文字通り何でも揃うモールです。映画館やフードコートもあり、ゆっくり散策できます。
スマウラリンド・ショッピングモール
クリングランと同様、何でも揃う大きなショッピングモール。規模としては、クリングランよりも大きいです。
ペルトラン
一見宇宙ステーションに見えるこの建物は、レイキャヴィーク市全体に、生活に不可欠の温水を供給する熱湯貯蔵ステーション。その上に、カンファレンス・ルーム、展示室、バー、レストランを揃えるガラス・ドームのペルトランが誕生しました。高台にあるのでレイキャヴィークの町を一望できます。ろう人形で歴史を再現するサガミュージアムもあります。
レイキャヴィーク美術館
アウスムンドゥル・スヴェインソン館アイスランドで最も著名な彫刻家スヴェイソン(1893~1982)の彫刻美術館。アイスランドの自然から多くのモチーフを得、制作活動を行った彫刻家の作品が展示されています。美術館の庭はそのまま彫刻公園として市民に親しまれている場所です。
レイキャヴィーク美術館
ハプナルフース館海沿いにある現代美術を中心とした美術館。