アート・カルチャー

Björk「もしも私が男の子だったら」

アイスランドの代表的な歌手Björk(ビョーク)がラジオのインタビューで、もし私が男性であったのなら自身がアイスランドの音楽に与えた影響はより認められていたでしょうと話しました。アイスランド音楽のアイコンともいえる彼女は今、自身のこれまでの活動の中で成し遂げてきた事を人々へどう伝えるのかを学んでいる最中であるとの事です。

「私は昔歌うことについて褒められてはいましたが、それによってアルバムを作成しようという人が現れるほどの評価を受けられませんでした。1999年に自分でコンピューターを購入してすべての音楽を自分で作ってきました。昔から自分のしたことを自慢したり伝えてこなかったので、多くの近い親族ですら私が自分で音楽を作ってきたことを知りません。なので今そういった事を伝えられるようになろうとしているのです。」

そう続けた彼女が次に話したのは自身の4枚目のアルバム「Vespertine」について、それに現れる多面性のあるサウンドスケープが自身がアイスランド音楽に与えた影響の一例であるという話。
「このアルバムで表現した古典的な音楽とポップな音楽の融合が後のアイスランド音楽に影響を与えたと思います。しかし実際にはこの手法についてあまり取り上げられたことはありません。もしも私が男の子だったら、より称賛を得られたと思います。」
「このようなアイスランドにおける女性の権利について言及することが私のセオリーであり、それに対する貢献なのです。これまではこういった事を話す際には赤面してしまい憚りましたが今は自分自身がそういった事を話すのを許しているのです。」

そして最後に彼女は今まで、そしてこれからの時代の女性について触れました。
「私の母達の時代は女性はいつも我慢することが多く消極的でした。それにはある程度は良い部分もあるのですが、それによって失われてしまった部分もあります。それで私たちの時代の女性はそんな小さなことは気にしていないように振舞おう、そんなことで泣き言をいうのはやめよう。という強い気持ちで生きる人が多いのです。そんな中、私はこれからの女性たちの助けとなるように前向きに「弱音を吐く」方法をもう一度学び、自身の作品に加えていくのです。」